| 米国の同時多発テロ事件後、米軍の軍事攻撃によってタリバーン政権が倒れたアフガニスタンで、新政権ができてから1年余りがたちました。カルザイ大統領のもとで国づくりが進められていますが、さまざまな問題があって「平和になった」とはまだ、とても言えない状態です。 |
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政権発足してから1年余り 警察や軍の体制まだ不安定
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| 逮捕され、刑務所で服役中の元タリバーン兵士ら=アフガニスタン・カラートで |
カルザイ政権は2001年12月22日に発足しました。これは将来、きちんとした選挙をしてアフガニスタン国民が認めた政権ができるまでのもので、正式な名前は「アフガニスタン・イスラム移行政権」といいます。米軍が倒したタリバーン政権は音楽やテレビを禁じたり、女性の教育を認めなかったりといった極端な生活を国民に求めました。新政権は、みんなが平等で平和に暮らせる民主的な国を目指しています。
平和のために大切なのは、争いが起きないように警察や軍の体制を整えることです。ところが1年たった今も、これが思うように進んでいません。給料が支払われずに訓練の途中で兵士たちが辞めてしまうことなどが理由です。このため、あちこちでテロ事件が起きています。昨年7月には副大統領が殺されたほか、カルザイ大統領を殺そうとする計画まであったほどです。
アフガニスタンはペルシャ系やモンゴル系、トルコ系などからなる多民族国家です。それまで23年間も内戦が続いたので、異なる民族が協力できていません。政権ができたとき、どの民族からだれを大臣にするかが注目されました。「あの民族の方が良い思いをしている」と不満を持っている人も多いのです。 |
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民族間対立や不満持つ人々 外国からの関心と支援必要
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国としてまとまるためには、都市だけでなく地方の人々にも政権が支持されなければいけません。ところが、地方には力のある軍人を中心としたグループが多数あって新政権に参加するのを断り、自分たちの仲間を増やそうと争いを続けています。タリバーンを支持している者たちもまだ、地方に多数いるとみられています。今も残っている米軍が、こうした争いや争いの種に目を光らせてなんとか治めているのが現状です。始まったばかりの国づくりには、こうした問題がたくさん残っているのです。
政権の偉い人たちが一番心配しているのは、国際社会の関心が薄れることです。米国は今、核兵器など多数の人々を殺す武器を作っているなどとして中東のイラクを激しく非難し、場合によっては攻撃する可能性もあるとしています。人々の関心が「新しい敵」であるイラクに移ってしまうと、アフガンの国づくりに欠かせない他国からの支援金が減ってしまう恐れがあります。
また、国際社会が注目しなくなると、タリバーン支持者をはじめとする不満を抱えた人々がまた争いを仕掛けることもあり得ます。逆に言うと、日本を含むアフガニスタン支援に熱心な外国からの厳しい「目」が、危険な争いが再び始まることの歯止めのひとつにもなっているのです。
2003年1月19日
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