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小泉首相が北朝鮮訪問、初の首脳会談へ
 小泉純一郎首相は8月30日、9月17日に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問し、首都平壌で金正日総書記と会談する、と発表しました。北朝鮮と日本の間には国交がなく、首脳会談が行われるのは初めてです。北朝鮮との間には、日本の女子中学生らがさらわれた疑いがもたれている、いわゆる「日本人拉致(らち)問題」など、解明しなくてはならない案件が山積しています。トップ同士の話し合いが、長年のこうした問題を解決する糸口になるかどうか、国内外から注目が集まっています。
「関係改善への一歩」と決断 拉致事件解明は最大の案件
訪朝について記者の質問に答える小泉純一郎

 8月25、26日、平壌で両国の外務省局長クラスの会談が2年ぶりに行われましたが、その際、日本側から小泉首相の提案が伝えられました。金総書記からも回答があり、一気にトップ同士の話し合いをすることに決まりました。小泉首相は今回の決断について、「政治的な意思をもって両国の首脳同士が話し合わないと、一歩を踏み出せないと思った」などと説明しています。予定では、首相は17日に東京から政府専用機で平壌に直行し、日帰りします。
 北朝鮮は、よくわからないことが多い国です。国交がないため、私たちは互いに旅行ができませんし、正式な貿易も行われていません。大切な問題はすべて、金正日総書記が決めているようですが、その総書記が何を考えているのか、といったニュースはほとんど伝わってきません。米国には、イラクなどと同じように「悪の枢軸国」の一つとして非難されています。
 私たちが不信感を抱くような事件も数多くあります。中でも「拉致問題」は最大の事件でしょう。1977年9月、当時13歳だった新潟県の女子中学生、横田めぐみさんが下校途中、姿を消したのを始め、福井県や鹿児島県などでこれまで計11人が姿を消しています。北朝鮮側は否定していますが、いずれも北朝鮮へと連れさらわれた疑いが強い、と警察庁が認定しています。

不審船やミサイル開発疑惑 植民地支配の謝罪と補償も

 このほか日本の近海に、北朝鮮籍と思われる船が入ってきた「不審船事件」もあります。ミサイル開発や核兵器開発の疑いももたれています。一方、日本は、太平洋戦争前の植民地支配について、北朝鮮に「謝罪と補償」をしていません。今回の訪朝で、こうした問題が話しあわれれば、両国の関係改善の一歩となるばかりか、東アジア全体の安定と平和につながるはずです。
 北朝鮮では今、長年の飢饉(ききん)で国内の穀物が年間100万d以上不足していると言われます。経済的にも行き詰まりが深刻になっており、そうした「苦しい台所事情」も、今回、金総書記が日本とのトップ会談を受け入れた理由の一つなのでしょう。韓国の大統領が間に入り、「北」側を粘り強く説得したという情報もあります。

(斎藤 智子・朝日新聞記者)
2002年9月15日


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