 |
| 乱立する携帯電話の基地局。こちらは「高周波」だが、電磁波への心配から、住民の反対運動が増えている |
「電磁波」とは空間を走る電気と磁気の流れのことです。流れ方によって、エックス線やガンマ線から紫外線や赤外線、短波や長波といったいわゆる電波まで、さまざまな種類に分かれます。なかでも「超低周波」は、家電や高圧線などから出る電磁波で、エックス線や紫外線などと異なり、健康への悪影響はほとんどないとされてきました。
しかし最近、欧米での実験や調査で、この「超低周波」が白血病やがんの発症率を高めているのではないか、という疑いが強まってきました。このため世界保健機関(WHO)では、1996年から10年がかりで調査を始めました。日本を含む54か国が参加しており、今回の調査もその一環として行われました。
中心になったのは国立環境研究所と国立がんセンターで、これに各地の大学が協力しました。具体的には、白血病にかかっている15歳未満の子ども約350人と、健康な子ども約700人の家庭に協力を求め、それぞれの室内の電磁波を1週間続けて測定しました。また、自宅から送電線までの距離や電気製品の使用状況なども詳しく調べました。調査は99年から今年まで続きました。
その結果、ふつうの家庭では電磁波による磁界の平均値は0.1テスラ前後なのですが、それが0.4テスラ以上になると、小児白血病になる確率が2倍以上にはねあがることがわかりました。
むろん、これだけで「電磁波は小児白血病の原因だ」とは断定できません。が、昨年、WHOが国際がん研究機関などと、欧米での20件近い調査を分析したところ、やはり、「平均0.4テスラ以上を境に子どもの白血病の発症率が倍増する」という結果を発表しています。電磁波と病気の間に何らかの関係があるとはいえそうです。
|