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日中国交正常化30周年と中国共産党大会
 東京の上野動物園に初めてパンダが登場して人気者になったのは、今から30年前の1972年11月。この年の9月、日本と中国の国同士の交わりが正常化したのを記念して、中国から贈られたものでした。
GLAY北京ライブ実現へ 靖国や瀋陽事件では対立

 国交正常化30周年の今年は、様々な行事の計画があります。中でも日本のロックグループGLAYが、10月に中国の首都・北京で行う記念コンサートは、大きな目玉でしょう。北京ではロックコンサートに制限がありますが、中国の若者にもGLAYファンは多く、若い世代に日中友好をアピールするためにも実現することになりました。

 しかし、最近の日本と中国との関係は、決して良い状態ではありません。

 例えば小泉純一郎首相が4月、靖国神社に参拝したことに、中国政府は反発しました。同神社には戦死した旧日本軍兵士以外に、中国への侵略など戦争責任があるとされた東条英機元首相らA級戦犯も、一緒に祭られているためです。中国は、直後に予定していた海軍の軍艦による日本訪問を延期してしまいました。

 5月には、この欄でも紹介した瀋陽総領事館事件が起きました。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から外国への亡命を求めて日本の総領事館に駆け込んだ5人の身柄を巡り、日中両国の主張が対立しました。

 こうした波を乗り越え今後の日中関係を安定させるには、多くの分野で交流を増やし、お互いを正しく理解する人脈を築くことが、何よりも大事でしょう。

江主席の交代劇はあるのか 党大会の行方に世界が注目

 さて、この観点から見ると、中国では政治の面でまもなく重要な動きがあります。今年秋に予定される5年に1度の共産党大会で、江沢民国家主席(共産党総書記)ら政治指導者の大幅な世代交代が決まる可能性があるのです。7月下旬には、要人たちの非公式な協議が始まった様子です。

 最大の焦点は、75歳の江主席から59歳の胡錦涛副主席へのバトンタッチが実現するかどうかです。今のところ、江主席が中央軍事委員会主席の職にとどまったうえで党総書記を胡氏に譲り、来年春には胡氏が国家主席に就任する、という見方が強いようです。

 共産党のトップ7人である政治局常務委員の定年は70歳と言われており、73歳の朱鎔基首相らも引退の対象です。ただ、最近は江主席に留任を求める動きもあると伝えられ、定年制が守られるかどうか、まだはっきりとはしません。

 党大会では、労働者や農民に加え、企業の経営者も共産党に入れるよう決まりを変えることも検討されています。トップの人事のほか、こういう大きな問題も抱えており、調整に時間がかかりそうです。9月に予定されていた党大会は、11月に延びる方向です。

 次の時代の中国の指導者に、若くて国際感覚に優れた顔ぶれがそろうかどうかは、日中関係はもちろん、世界の政治・経済の将来にとっても重要です。この秋の党大会の行方には、国際社会が注目しています。

(栗原健太郎・朝日新聞記者)
2002年8月11日


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