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帝京大、入試をめぐり不正な寄付金集め
 帝京大学(東京都板橋区、冲永荘一総長)の医学部の入試をめぐる不正な寄付金集めが、東京国税局など国税当局の調べで裏付けられました。入試の結果が発表される前に、受験生の父母から多額の「カネ」を大学側が受け取っていたことがわかったのです。その金額たるや、この7年間に約150億円。「できの悪いわが子をなんとか医者にしたい」という親心につけこんだ金集めといえましょう。
合格発表前に親から「カネ」正規の寄付金と偽って分配
海上自衛隊の潜水艦や艦船が停泊する広島県呉港

 文部省(当時)は1981年、「入学前に寄付金を集めてはならない」と、医学部をもつ全国の大学に、通達で注意を促してきました。入学前に受験生の親に寄付金を求めれば、「払わないと合格が取り消されてしまうのではないか」という不安をあおるからです。冲永総長は6月27日、合格発表前に寄付金を受け取っていたことを認めましたが、金額次第で合格させるいわゆる「裏口入学」については、否定しています。

 寄付金の「受け皿」になったのは冲永総長の妻が理事長を務める「帝京育英財団」(愛媛県大洲市)です。国税当局の調べでは、実際には2月ごろに集めていたのに、親に領収書を渡すのは新学期が始まった5月。領収書の日付も5月にしており、あたかも合否発表後に寄付金を集めたかのように見せかけていました。

 寄付金は一時的に銀行に保管されますが、やはり5月ごろ、およそ半分が帝京大学に、残りが帝京グループである約10の法人に分配されていました。

 財団法人は一般の企業のような「金もうけ」の事業はしないため、活動でお金が入っても、基本的に税金はかかりません。しかし今回、大学分を除くグループ企業へ分けた分について、国税当局は「財団が入学をあっせんすることで得た事業収入にあたる」と判断。過去7年間にさかのぼり、その分(約65億円)に対する税金を払うよう命じました。

1人3千万−1億円支払い 親族らが仲介、その手数料も

 受験生の親たちは、どの程度、お金を払っていたのでしょう。

 親などから朝日新聞が集めた話をまとめると、まず「仲介者」が親たちを大学側に紹介します。「仲介者」には、総長の弟である冲永嘉計・元帝京学園会長などの親族や政治家、医学部教授らの名前があがっています。学力や入学の意志、寄付をするかどうかや両親の職業・財力などが大学側に伝えられます。

 入試が終わると、親にはただちに大学側から連絡が入り、合否のおおまかな結果とともに寄付金額が指定されたようです。結果発表の前に父母は大学に出向き、現金か小切手で支払います。安い人で3千万円程度、高い人は1億円以上も出したそうです。このほか、親は、仲介者にも100万円程度から1千万円程度の「仲介手数料」を払わなくてはなりません。

 東京国税局は冲永嘉計・元会長に対しても、こうした仲介料収入が、2000年までの4年間に3億1千万円あったのに隠していたとして、東京地検に脱税(所得税法違反)容疑で告発しています。

 (斎藤 智子・朝日新聞記者)
 2002年7月7日


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