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前途多難なアフリカ連合(AU)発足
 アフリカは日本から遠く離れていますが、6月のサッカーW杯でのセネガルやカメルーンチームの活躍で「身近になった」と感じた人も多いでしょう。そんなアフリカの53の国々と約8億の人々を、欧州連合(EU)のようにひとつに統合していこうと目指す国家連合「アフリカ連合(AU)」が今月、正式に発足しました。AUは今後、紛争を解決するための平和維持軍や、非人道的な犯罪を裁く国際司法裁判所などを独自に整備し、ユーロのような共通通貨も導入する計画です。
EUモデルに53か国8億人 加盟国の多くが貧困と紛争

  でも、実現は容易ではありません。加盟国の多くは、ひどい貧困と低開発、先進国から借り続けてきた巨額の開発資金の返済に苦しむ「重債務貧困国」です。最貧国のエチオピアなどは、1人あたりの国民総所得が年間約100jほど。日本の300分の1以下で、AUへの拠出金の支払いさえ困難です。コンゴなど国際紛争や内戦が続く国や、終戦後の復興に取り組み始めたばかりの国も多くあります。南部アフリカ諸国では今、干ばつや政治の混乱で深刻な食糧危機が起き、約1500万人が飢えに苦しんでいます。サハラ砂漠以南のアフリカは、世界のエイズウイルス(HIV)感染者の約7割が集中している地域でもあります。
 こうした問題の解決には、国際社会が協力して取り組んでいかなければなりません。6月末には、日米欧の主要8か国(G8)がカナダ・カナナスキスでのサミット(主要国首脳会議)で、アフリカ支援の「行動計画」を採択しました。新規の開発援助の半分をアフリカ諸国に振り向け、貧困国の輸出品への関税をなくすといった新しい取り組みも盛り込まれました。

自立に向け腐敗なき政治を 経済の再建に先進国も援助

 アフリカの国々の「自助努力」を求める声も強まっています。日本や欧米は、アフリカ諸国が次々に独立した1960年代以来、膨大な開発援助を送り続けてきましたが、多くの資金は、政権の汚職や腐敗で政治家や官僚などに私物化されてしまいました。その結果、交通や電気、通信などの社会基盤も未整備で、医療や教育、農村開発も遅れたままです。

 このためAUは、自力での開発に責任を持つ「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」という新しい開発計画を策定しました。2015年までに貧困層を半減させ、年7%の経済成長を達成するという野心的なものです。アフリカ4か国の首脳が初めてサミットに出席し、腐敗のない「良い政治(グッド・ガバナンス)」を行うことを約束しました。

 でもNEPADの事業の大半は、やはり先進国の援助なしには実施できません。日本の政府途上国援助(ODA)やNGOによる支援は、その柱です。私たちは、遠いアフリカの国の人々の暮らしと将来の国づくりを支えているのです。アフリカの問題に関心を持ち続け、「自立への道」を温かく見守っていく必要がありそうです。

(大崎 敦司・朝日新聞記者)
 2002年7月28日


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