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無認可添加物を使った協和香科学事件
 みなさんが大好きなチョコレートやスナック菓子、肉まんなどに、国が使用を認めていない香料や酸化防止剤などが使われていたら―。いくら微量とはいえ、やはり不安ですよね。いま問題になっているのは、「食べもの」への信頼を、根底から揺るがすような事件ばかりです。
数百種類、600社が食品回収

   6月始め、新聞にいっせいに、食品回収を知らせる「おわび広告」が載りました。それも、おなじみの食品メーカーばかり。協和香料化学(本社・東京都品川区)という香料メーカーが自社の茨城工場で、無認可の物質を加えた食品用の香料を、長年にわたって製造・出荷し続けていたことがわかり、取引先の食品会社がその香料を含む商品をスーパーやコンビニから引き取るという騒ぎになったのです。取引先はおよそ600社を数えます。

  問題になった物質は、ヨーグルト風味の発酵臭を出すアセトアルデヒド、フルーティーな香りを作るプロピオンアルデヒド、チョコレート風味のメチルブチルアルデヒドなど5種類です。なかには海外で使われているものもありますが、日本では発がん性などの安全が確認されていないため、食品衛生法で使用が認められていません。


 回収された商品は、清涼飲料水、菓子パン、シュークリーム、チョコレート、即席めん、キャンデー、チーズケーキ、レトルトカレー、バター、ソースなど数百種類。食品の自主回収事件としては過去最大級の事件になりそうです。

 香料は、一つの商品に含まれる量が大変に少ないことや、製造の途中でいくつかの物質を混ぜることも多いため、食品メーカー側でもチェックが行き届かなかったようです。

違法と知りつつ製造・出荷

 問題なのは、少なくとも2年ほど前には同社の社長らが「違法な物質が使われている」ことを知りながら、その後もやめなかったことでしょう。今回ばれたのも、東京都に匿名の投書が寄せられたのがきっかけでした。悪質とみて、茨城県日立保健所は7日、同社の平瀬明男社長を食品衛生法違反(無認可添加物の販売の禁止など)の疑いで刑事告発。18日には、茨城県警と警視庁の合同捜査本部が本社や茨城県内の工場、神奈川県座間市の研究所を同じ容疑で家宅捜索しました。

 同じような事件は、最近相次いでいます。5月には、大阪府吹田市のダスキンが、全国展開するドーナツ店「ミスタードーナツ」で、肉まん約1300万個に、無認可の酸化防止剤を加えていたことがわかりました。中国の工場で製造していたのですが、混入に気づいた後も、日本では売り続けていました。

 食品には今、「おいしさ」を演出したり長持ちさせたりするため、さまざまな物質が加えられています。こうした食品添加物の安全性を確保することは、私たちの健康を守ることにつながります。政府は2003年度中に専門家による「食品安全委員会」(仮称)をつくり、消費者を守る新しい法律を定めるとしていますが、食べる側の私たちも食べ物に何が混じっているのかにもっと関心をもたないといけません。

(斎藤 智子・朝日新聞記者)
 2002年6月23日


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